リフォームを始める前にまず、住宅のもつ特徴についておさらいしましょう。
なぜなら、住宅の特徴をおさらいすることによって、あなたはより良いリフォームをすることができるようになるからです。
「住宅」は何のためにある?
毎日、毎日、何気なく過ごしている住宅
住宅とは一体何なのでしょうか?
ほとんどの人は「住宅とは何か」ということについて、考えることは少ないのではないでしょうか?
ここでは、お風呂や住宅リフォームを始める前に、そもそも「住宅とは何か」ということを考えてみたいと思います。
環境への対応の役割
自然からの影響を防御したり、緩和したりする役割が一番に挙げられます。
たとえば雨
日本では一年間にたくさんの雨が降ります。年間では約1/3の期間、雨が降っています。この雨から我々を守ってくれるのが住宅です。
そして具体的には屋根や壁が雨を防いでくれます。雨漏りがしたら非常に困ります。現代人であれば、雨漏りがすれば一日たりとて我慢できないレベルです。
温熱環境の調整
夏は暑く、冬は寒い、一年を通して温度の変化があります。外で暮らしていくには厳しい環境です。しかし私たちはクーラーや暖房など住宅で囲まれているからこそ、コントロールできるすべがあります。
外敵からの侵入を防ぐ
外敵から私達を守ってくれます。夜、安心して寝ることができるように防犯の役割も担っています。
地震への備え
前述の役割を担っている住宅ですが、そのためには屋根や壁を作らなければなりません。
そして地震が来ても屋根や壁が壊れないようにするためには、丈夫な柱(はしら:垂直に使われている材料)や梁(はり:水平に使われている材料)そして基礎(きそ)が必要になります。
これらの構造体(こうぞうたい:いわゆる骨組みのこと)がしっかりしていれば、地震が来ても安心して家の中にいることができます。
家族が幸せに暮らしていける役割
前述の「外部環境への対応」の他に大切な役割があります。
「家族が幸せに暮らしていける環境空間」であることです。つまりは心身ともに、健康で過ごせる環境でなければなりません。
家庭の中心である主婦がストレスなく過ごせる環境にあるか、父親が働いて帰ってきたときに安らげる環境であるかどうか、子供が将来に向けてしっかり自立心が育まれる環境であるか
これらの環境が整って、はじめて住宅本来の役割がそろうことになります。家族が不幸になってしまっては、いくら地震に強く快適な住宅であっても本末転倒になりかねません。
住宅は工業製品とはちがう?
住宅はそれぞれが、唯一無二の場所にひとつひとつ建てられたものであり、基本的に同じものはありません。(意図的に同じものを作る場合、例えば建売やマンションは除きます)
工業製品のように全く同じものを工場で大量に生産するのではなくで、その地域のその場所で様々な条件のもと唯一存在するものです。
しかも一度建てたり購入したりしたあとに、もう一度買い換えたり、建て直したりすることは簡単にはできません。
また、その場で職人さんが工事を行うため、管理された工場の中で作業するのとは違い雨や風、湿度や気温、さらには職人さんの腕の善し悪しに大きな影響を受けます。
そして、その他にも元請け会社の管理や設計者の資質など様々な要因に左右されます。
全く同じ見積もりは存在しない
住宅の特徴として出来上がるまでの過程が複雑であるため、実際の工事の見積もりについて、全く同じものは存在しません。
また、工事の価格の要因としては基本的に材料費と施工費(職人さんの手間代)そして会社の経費や利益になります。
この中には、需給による価格の変動(例えば職人さんの手間賃やコンクリートや鉄骨などの材料)があるため、全く同じ見積もりの項目があったとしても、時期や地域によって価格が異なることになります。
目的を家族で共有する大切さ
実際にリフォームを進めていくと家族で意見が違ったり、価値観の相違に愕然とすることもあります。ただし、「家族が安心して幸せに暮らすこと」が家族共通の目的であれば話し合うことは十分可能です。
あなたがリフォームをする際、これらの住宅の特徴を確認した上で、リフォームする目的自体をよく考えてください。
きっと、素晴らしいリフォームをすることができると思います。