あなたが、自宅のお風呂をリフォームをするとき、どこに依頼するかはとても大切です。工事の依頼先を決めることはお風呂のリフォームを成功させるカギとなるからです。
では、実際の依頼先はどのようなところがあるのでしょうか
- リフォーム専門会社
- ハウスメーカー
- 相見積もりサイト
- ショールーム
- 水道・ガスなどの専門会社
- ホームセンター
- 折込チラシの会社
- 口コミの紹介
など
少し、調べただけでもたくさん出てきます。一体どこに頼めばよいのかよくわかりません。そもそも、これらの依頼先の違いがよくわからないので、比較検討することができません。
そして、メリットやデメリットもよくわかりません。いったい、どこに依頼すれば良いのでしょうか?失敗しない依頼先はどこなのでしょう?
ここでは、「お風呂リフォームの依頼先!その選び方」について解説していきます。
目次|このページでわかること
なぜこんなにたくさんあるの?
そもそも、リフォーム業界は参入障壁が低いという特徴があり、新規参入しやすくなっています。
たとえば、
- 法的な規制が緩い(ほぼない)
- 特殊な技術がなくてもできる
- 電話一本で始められる
- 住宅分野は関連商品が多い
- マーケットのボリュームがある
- 契約が高額になりやすい
などの理由により、リフォーム業界で独立起業する人や異業種による参入は、後を絶ちません。
実際に働いた経験が有り、自分で作業できるか、もしくは工事の外注先がわかるようになれば、個人でもすぐにリフォーム業を始めることができます。
また、大手企業であれば、簡単にリフォーム会社に仕事を依頼したり、場合によってはリフォーム会社自体をまるごと買収したりして、リフォーム業を始めることもできます。
最近では、大手企業がリフォーム会社を紹介するサイトを運営しています。
したがって、多くの業者や異業種が参入して消費者にとっては依頼先がたくさんあり、少し複雑でわかりにくくなっています。
余談ですが、ほぼ規制がないため、自由競争が展開されやすく価格競争が起こります。価格競争が起き、一見すると消費者にとってはメリットとなりますが、競争が過熱すると工事価格が適正価格を下回るようになります。
対応が悪かったり、手抜き工事だったり、最後は強引に契約だけして工事が行われなかったりすることもあります。
規制がゆるく自由競争の原理が働きすぎることは、リフォーム会社が倒産したり、悪徳会社が生まれたりする原因にもなります。リフォーム業界でトラブルが減らないのは、こんな要因もあるのではないかと考えています。
一体何が違うの?
様々な依頼先がありますが、これらはいったい何がどう違うのでしょうか?
最大のポイントは次の2つ「自社でリフォーム工事を請け負うのか否か」、「工事管理を自社の社員でやるのか否か」です。
それぞれの条件を組み合わせて分類し、大きくつぎの3つに分けてみましたので、順番に見ていきましょう。(実際にはもう少し複雑ですが、わかりやすくするために簡単にしてあります。)
A 工事を請負う(うけおう:完成の義務を負うこと)、
その工事の管理を自社の社員でやる会社
(工事の一部または全部を外注するかどうかは関係ない)
B 工事を請負う
工事の管理を外注する会社
(顧客対応のみ行い工事の管理を社員で行わない、営業のみをおこなう会社)
C 工事を請負わない
(業者を紹介する。いわゆる相見積もりのサイト)
例えば、先に上げた依頼先を分類してみます。
・リフォーム専門会社 | A、B |
・ハウスメーカー | A |
・工務店 | A |
・相見積もりサイト | C |
・ショールーム | C |
・水道、ガスなどの専門会社 | A |
・ホームセンター | B |
・折り込みチラシの会社 | A、B |
・口コミ紹介 | A、B |
このような分類になります。実際にはもっと複雑ですが、この2点だけ見極めることができればOKです。きちんと理解した上で依頼先を選うことが大切です。
工事を管理する(工事管理または施工管理という)
「工事を請け負う」なかでも工事を管理するすことが重要であり、この管理がどのような体制になっているかまた、誰が(経験者、資格者)担っているかがポイントになります。
工事を管理するとは具体的にはどのようなことなのでしょうか
じつはこの工事管理者の経験やスキルなどの能力によって工事の出来は左右されることになります。実際に規模や金額また工法や構造など建築の種別によって工事を管理できる人(現場監督)は経験年数や資格によって法律で制限されています。
工事管理の5つの柱
1)工程管理
工事全体のスケジュールを立案し、お客様と各職人との様々なスケジュールを調整します。
2)予算管理
契約の金額と内容に基づいて、計画通りに進んでいるかチェックします。追加など増減も管理し、場合によってはお客様へ説明をして、了承をしてもらうこともあります。
3)品質管理
計画した品質をちゃんと達成しているかプロセスも含めて管理します。いわゆる技術系の管理になります。
4)安全管理
小規模のリフォームではそれほど目だちませんが、様々な安全について事前にリスクを予想し対応を取っていきます。場合によっては緊急時の対応も行います。
5)環境管理
近隣を含めた周辺環境への対応も必要です。職人が安心して良い仕事ができるようにお客様の近隣の方への配慮等多岐にわたります。
これらを担っていく人のことを現場監督、現場担当者などと呼んでいます。この役割を自社の社員で行うのか、外注するのかによって、会社の性格が異なります。
A、Bの会社の特徴は?そのメリットやデメリットは?
大きく3つに分類しました。実際にはCはAやBへたどりつくまでの話になりますので、リフォームの依頼先をえらぶのに、簡単にまとめるとAまたはBのいずれかを選ぶということになります。ただしCの場合はA、Bの選択そのものを任せること可能性がありますので、注意してください。
A、Bそれぞれの特徴はどんなところでしょう。また、メリットやデメリットは何なのでしょうか?両者とも工事を請け負いますので、自社の社員で工事の管理をするかしないかに焦点をあててみます。
まずはそれぞれの特徴を整理します。
A:自社の社員で工事管理を担う会社
- 人件費がかかります。管理する社員を正社員として雇い続けなければなりません
- 社員が長く務めることによって社内で技術が蓄積されつづけます
- 社員を育てる必要があります。若手であったり、経験の浅い人材を育てる時間と費用が必要になります
- 工事管理の責任は社員であり、会社そのものです
- 担当者が工事を管理しますが、会社として社員をサポートします
B:工事の管理を外注する会社
- 社員を雇う必要が無いため、必要なときに必要なだけ外部へ依頼することができます
- 外注先のスキルに管理が委ねられる事になります
- 工事管理の責任の範囲が不明確になる可能性があります
- 経験値が外注先の個人に蓄積されるため会社(=社員)へは還元されず技術や知識が蓄積されません
メリット・デメリット
Aの会社
メリット
技術が蓄積されている会社である
責任の所在があくまでも請負会社で明確
デメリット
固定費(人件費)が継続的に発生するため見積金額が割高になる可能性がある。
経験の浅い担当者がつく可能性がある
Bの会社
メリット
固定費(人件費)が継続的に発生していないため見積もり金額が安くなる可能性がある
デメリット
責任の所在が不明確になる場合がある
スキルが低い外注先が担当する場合もある
まとめると金額と技術および責任についてとなります。
技術は担当者により必ず差異があります。
経費は人を継続的に雇う会社は必要です。
その代わりに責任を負うことになります。
A:多少経費はかかるが責任をもって仕事をしてくれる可能性が高い
B:安くなる可能性があるがその分責任が不明瞭になるリスクが有る。
どこに頼めば正解?
それでは一体どこに依頼すれば失敗しないのでしょうか?
私の考えるオススメはズバリAの会社です。自社で工事を請負、かつ社員が工事管理を担っている。まずはここからスタートすることが「失敗しないリフォームの依頼先」を選ぶ際の基本となります。
ここで先程の各依頼先を分類別に並び替えてみました。Cは選択の方法になりますので、ここでは除外します。
・ハウスメーカー | A |
・工務店 | A |
・水道、ガスなどの専門会社 | A |
・リフォーム専門会社 | A、B |
・折り込みチラシの会社 | A、B |
・口コミ紹介 | A、B |
・ホームセンター | B |
・相見積もりサイト | C |
・ショールーム | C |
次で上位3つを比較検討してみます。
「あれ?リフォーム専門会社やチラシ、口コミの会社はだめなの?」と思われた方も多いと思います。これは分類の基準によるものですので、チラシや口コミの会社であってもAであれば問題ありません。
ただし、リフォーム専門の会社は良い会社かどうかは非常に判断が難しです。住宅を建てたことがない会社は、いざという時に対応できません。したがって私はおすすめしません。
ただし、住宅の新築を行っている会社でリフォーム部門を設けているところは工務店として分類して頂いて結構です。
ハウスメーカーVS工務店VS水道、ガスなどの専門会社
ハウスメーカー
工務店
専門会社を比べてみましょう
ハウスメーカー | 工務店 | 水道・ガスなどの
専門会社 |
|
知名度 | ◎ | △(地元の工務店)
|
☓(地元の水道工事店)
◎(大手のガス会社) |
金 額 | △ | ○ | ○ |
必要な知識または経験 | ◎ | ◎ | ○ |
将来を含めた提案 | ○ | ◎ | △ |
住宅を作っている | ○ | ◎ | ☓ |
お風呂以外の家全体への対応 | ◎ | ◎ | ☓ |
これらを参考にしてください
人によっては
- 営業マンの対応が良かったから
- 大手企業だから
- 見積が安かったから
- 近所でちょうどやっていたから
- 飛び込みで営業にきたから
などの理由で決めることがあります。
使い捨ての商品の場合や、金額がそれほど大きくない場合はそれでもかまいません。
しかしリフォームの場合は違います。なぜなら、高額になることがほとんどで、やり直すことが難しいからです。そして最大の理由は将来ずーっと永く住み続けるからです。
安全で安心した暮らしを続けるためには住宅づくりのプロにリフォームを依頼することが良いと考えます。
部分的なリフォームだけの専門会社に任せることはリスクが有ることを認識しましょう。
専門家のアドバイスは必要?
専門家のアドバイスは必要です。リフォームのリスクを最小限にするためには、ぜひ専門家をアドバイザーとして利用することを検討してください。
例えば、あなたが病気になったとき、病院へ行きお医者さんにかかります。そのお医者は医師免許を持っています。
病気を見つけたり、治療したりすることは、命に関わるため、法律で定められているからです。
少し咳が出たり、熱があるくらいだと自分で判断して病院に行かないこともあります。しかし、万が一の場合もありえますので、病院へ行って、医者に診てもらう事は安心につながります。
建築の世界も同じように、建物を建てたり、改修したりするときは一級建築士や二級建築士または木造建築士などへ設計や工事監理を依頼することが必要です。
人の命に関わったり、都市計画にかかわったりするので、医者と同じように法律で定められています。
ただし、建物の規模や構造、工事の部位や種類によっては一級建築士や二級建築士または木造建築士へ設計や工事監理を依頼しなくてもよい場合もあります。
また、工事会社の資格について、工事が少額(五百万円以下)の場合であれば建設業の許可は不要です。
そして、住宅のリフォームは建築士による設計や監理、また建設業の許可が不要な範囲で行ことができることがほとんどです。
病気の場合、かぜぐらい病院へ行かなくても大丈夫と判断するときがありますが、実は大病であったとき、困ります。あとから判明したときに手遅れになるからです。
リフォームも同じように専門家に頼まなくても大丈夫と判断します。
しかしあとから問題がわかったときには、かなり大変なことになっている場合があります。
失敗しない依頼先を選定するためには、はじめから多少の経費がかかったとしても、しっかりしたところに頼むことがベストです。